PERSPECTIVE

2021年12月16日

中国企业透视~得物APP

作者:新消费品牌研究组

近年,由于中美贸易摩擦对经济的影响、反垄断法规制度的完善以及对数据安全相关管理的强化等,对于急速成长中的中国新兴企业,不确定因素越来越多,但也不乏一些特色企业相继出现。本专栏将聚焦这些企业,阐述其现状及未来发展方向,希望能给日资企业带来一些启示。

此次介绍,上海识装信息科技有限公司运营的正品潮流网购平台“得物 APP”。

 

Ⅰ.“网络社区+电商”模式的APP

“得物POIZON”原名“毒APP”,起源于知名体育论坛虎扑的装备社区,积累了大批明星款、限定款篮球鞋的深度爱好者。随着篮球热及消费者的篮球鞋热升级,2015年,虎扑体育的联合创始人杨冰带着原班团队创立了“篮球鞋分享及资讯互动的平台”毒APP,其沿袭了虎扑的社区文化,精准定义用户群,以“篮球鞋真伪鉴定”为核心服务,提高用户对平台的信任度,进而提高平台的粘性。2017年APP完善了电商服务,吸引明星、KOL携品牌入驻平台。

伊始APP之所以取名“毒”,有“放毒晒物”之意,致力于打造年轻人自由交流、分享新潮体验的社区。2021年改名“得物”,既有取“得物(de wu)与毒(du)”的发音关联之意,又彰显了平台以“帮助用户得到美好事物”为目标的业务方向。

据36氪报道,2019年APP的GMV推测在60-70亿元左右。2019年4月,该APP完成A轮融资后,估值便已达到10亿美元,成为独角兽。

 

Ⅱ.成功的两个法宝:从细分垂直领域的切入+以鉴定商品真伪为核心价值引流

得物APP主营业务是潮流商品的交易平台,相较于闲鱼这样的大型综合平台,有两个特征:

1. 细分垂直领域的EC平台:前期只针对“篮球鞋领域”,后期品类延伸到了潮服、手表、奢侈品、潮玩、美妆、3C数码、甚至汽车,但始终以“潮流商品“垂直领域为交易主轴。

2. 以平台的“鉴定“为背书:首创“先鉴定,后发货”的购物流程,消除消费者对购买的人气商品真伪的疑虑,由平台保障商品的品质。在确保消费者购买的商品为正品的同时,又以鉴定服务从商家处赚取中介费和鉴定费。

如下图所示,得物APP能在快速发展,与其商业模式的运作密不可分。

▷ Step1. 先通过深度用户的社区交流,积累鉴别真伪知识,进而开发鉴定功能;并以“鉴定服务的背书,提高消费者在其平台上购买的意愿

▷ Step2. 在篮球鞋品类获得口碑后,积累年轻用户为流量,拓展潮流品类,增加入驻平台的品牌及款式。

此外,除了有年轻潮品消费者为核心用户外,其APP的“鉴定功能“还吸引了大批普通消费者进入平台鉴定商品真假,间接增加了平台的流量,同时强化了”鉴定就找得物“的口碑。

 

Ⅲ.得物APP的进击及课题

● 得物的课题

得物APP快速发展的同时,也饱受非议,特别是有关“炒鞋”负面新闻。据36Kr报道,在得物平台上,今年7月上市的“AIR JORDAN 1”从发售价的1599元,被炒到了2万元左右,最高时达69999元,溢价超过40倍。得物作为平台并没有起到监管的左右,并助长了“炒鞋”的风气。

据报道,早在2019年10月,中国人民银行上海分行下发了《警惕“炒鞋”热潮防范金融风险》为题的金融简报。指出目前市场上出现的“炒鞋热”,平台实为击鼓传花式资本游戏,各业务机构应高度关注,并采取有效措施防范此类风险。该简报点名批评的10余平台中,得物的前身“毒”APP位居榜首。此后不久,得物发布了“鞋穿不炒”的倡议书,以示自省。

● 得物的发展方向

如下所示,得物以“鉴定”为核心竞争力,主要有两个方向的提升

1. 牵手国家队,把自身的标准提升为行业标准

▷ 据人民网报道,得物App已和“鉴定国家队”中检集团奢侈品鉴定中心达成战略合作,在球鞋潮品鉴别领域展开长期的多形式合作,致力于提升球鞋潮品鉴别行业规范性和标准化。

▷ 2020年8月,得物App携手中国质量检验协会发布《运动鞋鉴别通用要求和判定方法》。这是国内首个鞋类鉴别团体标准,为鉴别服务提供了规范及评判依据。

2. 鉴定程序的AI化

2020年7月,得物App在2020年世界人工智能大会上宣布,将在上海建设全球供应链中心,并搭建完整的针对各类潮流单品的人工智能鉴别查验系统,致力打造全球最大人工智能鉴别场景。

综上所述,得物“瞄准潮流商品交易平台”这个细分赛道,以“鉴定”为核心价值,与竞争对手差别化,并牵手国家队,把自身标准提升为行业标准,致力通过AI手段提升鉴定效率及规模化,还是非常值得我们借鉴的。

 

参考网站:得物APP官网,36氪,烯牛数据,新民晚报,知乎,百度百科,红商网,人民网



【日本語】

昨今、中米摩擦に端を発する数々の経済規制や、独占禁止法にまつわる規制、保有するデータセキュリティーに関する規制の強化など、急成長を遂げてきた新興企業にとって不確定な要素が大きく膨らんできたようにみえるが、その中にあっても数多くのユニークな企業が次々に生まれている。本コーナーでは、日本でも注目に値するであろう特徴ある中国企業を取り上げ、その実態と将来の展望、日本企業に対する示唆等を述べていきたい。今回は、上海識装信息科技有限公司の運営する真贋鑑定による正規品保証売買プラットフォームの「得物POIZON」を取り上げる。

 

Ⅰ.「ネットコミュニティー+EC」モデルアプリ

「得物POIZON」はもともと「毒」アプリという名前だった。スポーツBBSの虎捕(HUPU)の用品テーマコミュニティーで多くの人が知るところとなった。そこには、バスケットの人気スターモデル、限定版などのディープな愛好家たちが多く集まっていたのだ。2015年ごろ、バスケ人気がより大きく盛り上がりをみせたあたりで、虎捕スポーツの共同創業者である楊氷が、そのチームをひきつれてバスケシューズの売買と、情報交換のプラットフォーム「毒」アプリを立ち上げた。それは、虎捕のコミュニティーの雰囲気を保ちつつ、特定ユーザーのセグメントにより的を絞ったものだった。「バスケシューズの真贋鑑定」を中核サービスとし、ユーザーのプラットフォームに対する信頼度を高め、ロイヤリティーを向上させる工夫のなされたものだった。2017年には、ECサイトをより強化し、有名人や、KOLを引き入れている。

「毒」アプリといっても、その毒は、中毒にさせるようなという意味で、そうした靴をみんなに見せて、楽しむネタといっても良い。若者たちは、その「毒」をテーマに、いかに「毒」されたかを見せ合う。2021年に、「得物 POIZON」に名前を変えているが、これも「毒du」から、「得物duwu」とその発音は、毒に近い。また、同時にプラットフォームの方向性も「ユーザーがもっと良いものを手に入れるのを支援する」サイトへと変わっている。

36Kr.の報道によると、2019年時点で、このアプリの推定GMVは、60~70億元といわれている。2019年4月には、シリーズAの融資を得ており、時価総額はすでに、10億米ドルを超える、ユニコーンだといわれている。

 

Ⅱ.成功の2つの鍵:細分化されたセグメントへの切り込み+真贋鑑定を中核とする客流確保

「得物」の主要業務は、売れ筋品の取引プラットフォームだ。同様のプラットフォームである「閑魚」が大型総合プラットフォームであるのと比較すると「得物」には次のような特徴があると考えられる。

1. 細かく細分化された専門分野を持ち、設立当初は、バスケシューズに特化し、その後は、ウエア、腕時計、高級品、人気玩具、コスメ、デジタル品、さらには、自動車にまで取り扱い品を拡大しているが、あくまでも売れ筋の人気商品に特化したセグメントでの取引を中心にしている。

2. プラットフォームによる「真贋鑑定」がお墨付きとなり、この分野では初めて「まず、鑑定、それから商品発送」という取引プロセスを成立させた。これにより消費者が、新品であれ中古品であれ商品を買う場合の不安を払拭することが可能で、プラットフォームが、商品の真贋を保証している。プラットフォーム側は、売り手から鑑定費用と、仲介費の両方を受け取ることができる。

以下の図は、「得物」の高速成長とそのビジネスモデルの運営が密接に関連していることを示している。

・Step1 常連ユーザーのコミュニティーでの交流や、鑑定知識の蓄積を通じて、その鑑定能力の開発と、鑑定サービスの保証により、サイト内での顧客の購買意欲を高める。

・Step2 バスケシューズなどで良い口コミの評判を得て、若者のサイト内の流量を増やし、人気商品のカテゴリーを増やし、サイト内での取扱品を増やすというものだ。

これ以外に、流行品狙いの若者ユーザーが中心という以外に、アプリに付属されている商品鑑定目的の普通の消費者の一群も取り込んでおり、それもプラットフォーム内の流量の増大させ、鑑定なら得物という評判にも貢献している。

● 得物の課題

得物アプリは、急速な成長をしていると同時に、批判的な話題もある。特に、得物アプリが人気シューズの値段を不当に吊り上げているというような批判だ。36Krの報道によると、得物のプラットフォーム上に、今年7月に売り出した「AIR JORDAN1」が、販売価格1599元から、2万元ほどに高騰し、最も高値で、69999元となり、元の値段の40倍以上に値上がりした。こうした取引価格の高騰に対して、プラットフォーム側は、特に何も措置をとらず、シューズの不当な値上がりを助長したという批判だ。

実は、2019年10月時点で、中国人民銀行上海分行が、「金融リスクを防ぐために“靴の投機的取引”熱を警戒する」というレポートを出している。そこでは、市場にみられる「価格高騰」は、プラットフォームが招いている資本の遊戯のようだとし、各業務機関は、高度に注目し、関連するリスクを回避するための措置をとるべきだとしている。同レポートで名指しされた10件ほどのプラットフォームのうち、そのトップにあったのが、得物の前身である当時、毒アプリであった。

その後、得意は、靴の投機的な取引による値上げをしないという声明文を発表し、自戒しているが、なかなか収まらないようだ。

● 得物の今後の発展方向

当社は、「鑑定」を競争力の核としており、主に2つの方向に拡張すると考えられる。

1. 国家級の鑑定組織と手をとり、自社の基準を、業界基準に昇華させる。

▷ 人民網の報道によると、得物は、すでに国家級の鑑定組織の中国検験認証集団高級品鑑定センターと戦略提携を締結し、バスケシューズの人気商品鑑定分野で長期的で多様な協力関係を築き、バスケシューズ鑑定の分野での基準形成を狙っている。

▷ 2020年8月に、得物は、中国質量検験協会と共同で、「スポーツシューズ鑑定基本条件と鑑定方法」を発表している。これは国内で初めての靴類の鑑定に関する団体基準で、それらのサービスを提供するにあたり基準と判断根拠を示している。

2. 鑑定プロセスのAI化

2020年7月、得物は、2020年世界人工知能大会で、上海にグローバルサプライヤーセンターを設立し、各種人気商品の人工知能鑑定検査システムを構築し、世界最大の人工知能鑑定所となると宣言した。

得物は流行品流通分野で、真贋鑑定サービスをその価値の核心にすえることで、差別化をはかり、国家級の鑑定組織や、国家機関と連携しながら業界で基準化を進め、さらにAIの活用で鑑定の効率化と規模化を図ろうとしている。

もともとバスケシューズをC2Cで取引するプラットフォームとして設立された得物は、真贋鑑定という中核機能を付設することにより、取引される商品がたとえ中古品であっても正規品であることを保証することでユーザーに受け入れられた。さらに商品ラインナップを広げたところで、ブランド専門店もサイト内に店を出し、正規品保証で新品を売るB2Cタイプの取引も増やした。正規の新品として売られていてもそれが精巧な模倣品であったりする中国では、真贋鑑定の機能は、想像以上に高い付加価値となっている。また、それによりTmallでもなく、JDでもなく、はたまた閑魚でもない、ユニークなオンラインの売り場を実現している。

今後、得物の真贋鑑定機能が、どのような新たなスタイルの売り場を形成していくのか、注目していきたい。

发表于2021年12月16日 三菱日联银行中国微信公众号CDI专栏

URL:https://mp.weixin.qq.com/s/w-wQVXr5vHfLv3LoLbKGBw(中文)

https://mp.weixin.qq.com/s/5LUGzNxH0aiRXtzehx1VzA(日文)

想获得更多详情、请点击

联系我们