PERSPECTIVE

2023年06月21日

中国企业透视~上海格芒生物科技有限公司

作者:张佳琪

随着饮食习惯和消费结构的升级,口腔健康越来越成为人们重视的话题。据第四次全国口腔健康调查显示,居民口腔健康知识知晓率为60.1%,并且有高达84.9%的人对口腔护理保持积极的态度。另一方面,年轻一代消费者对口腔护理产品的需求向精致化,多样化,细分化趋势加速释放,更有专业化,科学化和个性化的趋势。在这一市场趋势下,以漱口水,水牙线,口腔喷雾,牙贴等代表的新品类正在快速增长,整体中国口腔护理市场达到700亿元的规模。本次专栏将介绍其中的一家佼佼者,由上海格芒生物科技有限公司于2019年创立的口腔护理品牌BOP波普专研(以下简称BOP)。

 

Ⅰ.重新找到品牌的价值定位——“口腔美妆化”

BOP的创业团队成员主要来自欧莱雅,联合利华以及头部新锐品牌公司。其中,创始人刘滨早年作为联合利华品牌经理,有管理过中华牙膏,力士,凌仕等品牌经验。还曾经加入BillBill负责过营销工作,后来加入过当时只有7给人团队的拉面说品牌,作为COO负责营销,电商和销售。

在创立BOP前,刘滨花费了三到四个月的时间在日本进行口腔护理市场观察,发觉中国市场对口腔品类的关注度与美国,韩国,日本等国家有着较大差距,但伴随着消费需求的变化正呈上升趋势,电动牙刷,漱口水,口腔喷雾,牙贴等口腔细分品类也在快速增长,在如此市场趋势下,尚未又强势品牌垄断,且产品创新点极多的口腔护理中的新品类赛道。

在发现新兴品类的市场机会后,刘滨选择与松本清口腔护理线首席研发顾问渡边秀司教授合作,推出BOP品牌首款产品-精油牙膏,但40元左右的客单价,即使侧重宣传其植物活性成分和配方技术,高客单的牙膏也无法打动顾客。刘滨看来,BOP需要为降低新消费人群的尝鲜门槛,打造出一款真正的爆品,推动品牌增长。

而这并非容易的事,不同于成熟品类,新品类的想象空间更大,也意味着需要更准确地了解消费者需求,了解触发和阻挡消费者使用产品的原因,针对性地进行产品创新。

BOP发现,年轻消费者的产品使用场景已经变化,相较于牙膏产品这类较为私密的盥洗场景,口喷产品的使用场景不受拘束,更具有社交性,更利于传播,同时消费者的产品功效需求也在向牙齿美白,口气清新升级,于是BOP以一二三城市的年轻女性群体为目标人群,定位一个新的品牌价值“口腔美妆化”,推出了第二款产品-BOP麦卢卡蜂蜜口喷(参考图1)。

(图1:BOP麦卢卡蜂蜜口喷,来源:BOP官网)

BOP口喷上市仅三个月就成为天猫口喷类目第一,2020年9月到2021年3月这半年内,BOP销售额增长了近10倍,从月销售300万快速增长到了月销近3000万。团队随后对产品成分,形态,包装等多次调整,借鉴彩妆品牌,加深年轻消费者美妆化的品牌形象。目前已推出的品类包括口喷,牙贴,漱口水。2021年品牌销售额达到6亿元规模。截止2021年,BOP已经完成1.6亿元B轮融资,由DCM领投,光速中国跟投,BAI资本和海阔天空创投超额跟投。

 

Ⅱ.锁定价值定位,规模化复制-口味茶饮化 包装美妆化

口腔产品主要和口味相关,在消费品逻辑中,越是口味体验相关的产品,就越容易差异化,是很有机会赢过传统对手的。

BOP产品团队的方法是,先做一款产品上线(MVP),获得更多的用户认知,然后再迭代产品,直到把方向看的越来越明白,规模化复制。

为了可以实现这一点,BOP建立了自己的独立研发实验室,专门研究成分和口味,以强化产品的品质与差异化。

BOP产品团队在早期的概念测试到产品打造,消费者调研中发现BOP的目前消费者和茶饮类产品似乎一致的,年轻人的喜好也是一致性。“口味网红茶饮化”的特点进一步放大了BOP“口腔美妆化”概念所具有的社交属性,强化了消费者的关联性。

BOP的爆款口喷是白桃味,白桃味与白桃味的气泡水是一致的,除此之外,还研发了凤梨味,薄荷味,樱花冰荔,冻顶乌龙。在产品的包装上也贯彻着美妆化的品牌定位。BOP将口喷产品的外包装设计成口红大小,并采用口红一样的旋转外壳喷头(参考图2),内嵌透明瓶体可随意切换不同口味,与更换口红色红的逻辑设计相类似。

(图2:BOP口喷:可替换内芯和口红包装,来源:BOP天猫旗舰店)

 

Ⅲ.延伸价值定位-发力线下渠道

新锐品牌,如何从线上走到线下一直是很难的课题,BOP和其他新锐品牌一样,线上的销售占比很高,销售额中80%来自线上全平台,但是BOP并没有想完全依赖线上平台。刘滨意识到如果一个品类线上占比很高,品牌又没有足够的溢价能力,那么品牌方是很难赚钱的。越是依附于线上大平台,品牌就会失去话语权,利润不可避免地被平台榨取,不利于品牌的长期发展。因此,线下渠道对品牌尤为重要。在基于“口腔美妆化”的价值定位下,BOP的用户和彩妆品牌人群重合度是非常高的,所以在线下重点布局以年轻消费者为目标用户的美妆集合店,精品店,便利店等渠道。(参考图3)截止至22年底,BOP产品已在全国5万家网点覆盖。

(图3:BOP美妆集合店内陈列,来源:财经商业咨询)

其次品牌团队认为做线下渠道,重要的不是网点的快速铺开,而是做好“客户成功”,首先让经销商和零售商都赚到钱,品牌才能有持续的利润。在线下营销推广上,BOP根据不同渠道的定位与需求,采取创新运营模式。

在盒马这类精品超市,BOP结合渠道即买即烹饪的特点盒年轻人尝鲜的心理,采取了换购策略。BOP曾于盒马举办的烧烤节联动,根据顾客买的龙虾数多少提供BOP条状漱口水的换购价格,以此拉新促销。

在7-Eleven这类便利店,BOP结合销售鲜食,饭后漱口的关键场景,采取跨品类联合的营销策略,不仅是对BOP品牌的用户拉新,更是对漱口水品类的用户教育。其实在产品设计之初就已经将产品的使用场景考虑在内,条装的漱口水“一次性“的属性也直击便利店消费人群的口腔护理习惯。

 

Ⅳ 未来展望

近几年,口腔护理赛道涌入了不少新锐品牌,初始阶段差异化都不是很大。BOP从植物精油牙膏切入,不断地调整产品包装,配方,收集很多用户的反馈,通过高频低客单产品提高新消费群体的触达率,找到了最有价值的品牌定位。对BOP来说,希望品牌能提供更专业更使用的解决方案来解决TA面临的口腔问题,同时更懂TA生活中面对的场景,提供社交和悦己的价值。BOP下一步的目标是建立新一代口腔护理集团,电动牙刷,水牙线等新的品类,也在紧锣密鼓的规划中,希望在口喷之外,成为新的增长点。BOP以年轻消费者为目标,这个群体喜好变化非常快且消费力受经济环境冲击大,未来如何可以被消费者长期选择才是竞争力和差异化的最好体现。

 

参考资料:

参加CONPLUS:BOP波普专研刘诗慧:成立三年的BOP如何卖出1亿条漱口水?

天下网商:社交新“神器“霸榜天猫赛道第一,刚刚它又融资1.6亿

财经商业资讯:线下强势出圈,新锐口腔品牌BOP凭什么破局

聚美丽:口腔护理赛道疯狂吸金,新锐品牌引领新风潮

36氪:BOP获1.6亿元B轮融资,6个月实现10倍月销售额增长

 



【日本語】

中国では、健康志向の上昇と食事習慣の変化により、オーラルケアへの関心が高まってきている。第4回中国全国口腔健康調査によると、オーラルケアに関する知識があると回答した人は全体の60.1%、関心がある人は84.9%にものぼる。また、特に若い世代のオーラルケア商品に対する要求が多様化したことによって、商品が細分化しつつある。このようなトレンドの下、マウスウォッシュ、デンタルフロス、マウススプレー、ホワイトニングシートなどを代表とする新しい商品カテゴリーが急速に成長し、中国のオーラルケア市場規模は700億元に達している。

本日のコラムでは、その中でも2019年に上海格芒生物科技有限公司によって発売が開始されたオーラルケアブランドであるBOP(中国名:波普专研)について紹介する。

 

Ⅰ.ブランドコンセプト “オーラルビューティー”の発見

BOPの立ち上げチームのメンバーには、ロレアルやユニリーバなどの有名ブランドや新興消費財ブランドの出身者が多く集まっている。創業者の劉濱(liú bīn)も、かつてユニリーバのブランドマネージャとして、歯磨き粉ブランドのZhong huaやヘアケアブランドのLux、男性用ボディケアのLynxなどのブランドを担当していた経験を持つ。ユニリーバ退職後、動画共有サイトのbilibiliではマーケティング業務に携わった。その後、当時社員7名だった高級インスタントラーメンブランドの拉面説にCOOとして参画し、マーケティング、オンライン・オフラインの代理商交渉などの業務を担当した。

BOP創業前、劉濱は日本で3~4か月間にわたりオーラルケアに関する視察を行った。そこで彼は、中国におけるオーラルケアへの注目度はアメリカや韓国、日本等の他国よりも低く、今後拡大余地があることを確信した。また、当時はまだ大手ブランドによる独占が存在せず、新興ブランドにも勝機があると考えた。

その後、BOPは、自社ブランドとして初の製品である精油入り歯磨き粉を、マツモトキヨシのオーラルケア領域研究顧問である渡辺秀司教授協力のもと、開発を行った。しかし、発売後の売れ行きは芳しくなかった。価格が約40元(およそ600円)と高かったことに加え、植物由来の成分や配合技術の高さに関する訴求が消費者に刺さらなかったことが理由だ。

この失敗を受けて劉濱は、消費者の購買ハードルを乗り越え、本当の意味でのヒット商品をBOPで生み出すために試行錯誤することになった。オーラルケア商品のように、新しい商品カテゴリーを売り出すことは、成熟カテゴリーの商品とは異なり、消費者のニーズと消費者の製品利用を促進または妨げる要因をより正確に理解し、把握する必要がある。

そこで、BOPは特に若者の消費習慣について注目した。オーラルケア商品の中でも、歯磨き粉は自宅などのプライベート空間で使われることが多いのに対し、マウススプレーは外出先でも使われるため、友人同士の中でも話題に上がりやすい。また、若者のオーラルケアに対する要求として、歯の白さや口臭が気になるという声が増えていることが分かった。これらを受けて、BOPは新たに「オーラルビューティー」をコンセプトとし、1~3級都市に住む若い女性をターゲットに対して、BOPマヌカハニーマウススプレーを発売した。(図1参照)。

この商品は、発売3か月で、Tmallのマウススプレーカテゴリーで1位を獲得。2020年9月から2021年3月の半年間で、月間売上高は約300万元から3000万元程度にまでなった。その間、BOPは他社コスメブランドを参考にしつつ、商品の成分や形状、パッケージデザインを何度も調整し、若い女性が好むビューティーブランドのイメージを体現していった。

現在、BOPが展開している商品カテゴリーは、マウススプレー、ホワイトニングシール、マウスウォッシュである。2021年には、売上高が6億元に達し、その年までにシリーズBで1.6億元の資金調達を完了した。リード・インベスターは米「DCMベンチャーズ」、コ・インベスターは「光速中国(Lightspeed China Partners)」だ。既存株主の「ベルテルスマンアジア投資基金(BAI)」「海闊天空創投(Beyond Ventures)」も追加投資を行った。

 

Ⅱ. 若い消費者の心をつかむ

マウススプレーのような商品は、味や香りを多種多様に開発することができる。味や香りの違いは、消費者にも理解されやすく、大手競合ブランドとの差別化が比較的簡単だ。そのような背景から、BOPは味の開発に注力するため、専門の研究開発実験室を設けている。商品開発の際は、まず小ロットで販売し、そこで消費者の商品レビューなどを通じて反応を見る(消費者がTmallなどで商品購入後にレビューを投稿するとポイントがもらえるため、企業は多くのレビューを得やすい)。小ロットでの販売と評価、調整を繰り返し、商品をブラッシュアップ出来た後に、大規模な生産を始める。

また、彼らは消費者インタビューを通じて、若い消費者はHEYTEA(喜茶)などのティードリンクや元気森林などの炭酸飲料の味を好んでおり、マウススプレーに求める味や香りと近しいことが明らかになった。この発見を元に「人気のあるドリンクの味を再現する」という戦略が生まれ、より若い消費者に親しまれるようになっていった。実際に、BOPでトップセールスのマウススプレーは白桃味で、若者に人気の白桃味炭酸水と共通している。

なお、味や香りだけでなく、商品のパッケージデザインにもこだわりを持っており、メイクアップコスメのようなデザインを貫いている。マウススプレーは、口紅サイズの設計で、口紅同様に回転させて使えるようになっている。また、内部は透明なボトルとなっており、好みの味に自由に入れ替えることが可能だ(図2参照)。

 

Ⅲ.差別化要素としての、オフラインチャネル

新興ブランドにとって、オンラインチャネルからオフラインチャネルへの拡大は、難しい課題だ。BOPにおいても、他の新興ブランドと同様にオンライン比率が非常に高く、売上高の80%を占めていた。オンライン比率が高く、且つ商品のブランド力が弱い場合、ブランドとしての発信力を強化しづらい。加えて、販売プラットフォームに利益が奪われ、ブランドの長期的成長には不利となる。そこで、劉濱はオフラインチャネルの開拓を重視した。具体的には、オーラルビューティーのコンセプトに親和性があり、若い消費者がよく出入りする化粧品専門店や雑貨屋、コンビニエンスストアなどに商品を展開したのだ(図3参照)。2022年末時点で、BOPの商品は中国全土約5万店舗で展開されている。

BOPが多くのオフラインチャネルに展開を広げられた理由は、短期間で多くの店舗に展開することよりも、店舗オーナーや代理商などのパートナー企業の利益を重視していたためである。BOPは、自社とパートナー企業の双方にメリットのある形で、それぞれのチャネルの特徴に合わせたマーケティングプロモーションを行っていった。

例えば、Hema(盒馬鮮生)では、Hemaの店内調理・イートインの特徴と連動し、バーベキューイベントで顧客が購入したザリガニの数に応じた、使い切りスティックタイプのマウスウォッシュ購入用クーポンをプレゼント、というプロモーションを行った。若い消費者が友人と利用するHemaだからこそ、そこから友人コミュニティ内での口コミも誘発することとなった。

また、セブンイレブンなどのコンビニエンスストアでは、お弁当や軽食などとのセット購入を促すプロモーションを行っている。マウスウォッシュの使い切りタイプという特徴がコンビニエンスストア利用者と相性が良く、奏功している。また、消費者を獲得するだけでなく、マウスウォッシュ商品カテゴリーにおける消費者教育の役割も果たすことで、更に自社・コンビニエンスストア双方にメリットがある形になっている。

 

Ⅳ.今後の展望:マウススプレーから「次の一手」へ

近年、オーラルケア分野には、BOPに限らず複数の新興ブランドが参入している。その中でも、BOPは消費者フィードバックをもとに自身のブランドの商品パッケージや成分、香りなどの調整を繰り返し、消費者の心をつかんできた。今後は、電動歯ブラシやデンタルフロスなどのオーラルケア分野で新しいカテゴリーの商品を計画中だ。マウススプレーの時のように、BOPのブランドとしての成長をさらに一段後押しするような新商品がだせるのか。また、移り気な若者消費社に選ばれ続けることができるか。BOPの商品設計やプロモーション・チャネル展開が一体となった戦略について、今後も注目していきたい。

 

发表于2023年6月21日 三菱日联银行中国微信公众号CDI专栏

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